ユダ
「おれはきさまの血で化粧がしたい」
「おれはきさまの血で化粧がしたい」




南斗六星、妖星の男。
美と知略を誇り、それゆえ裏切りの星として、乱世に南斗の擾乱を呼ぶ。南斗は本来皇帝の居城をおのおの守る流派であったが、終末戦争後、ユダは23派を率いて分裂。結果、南斗六星は大きく乱れた。
ユダが伝承する南斗紅鶴拳は、相手の返り血で身を染める妖拳。美に対し異常なまでの執着を示し、それゆえ、心ならずもレイの水鳥拳に魅了されてしまった自分自身が許せず、レイに対して強烈な敵意を燃やす。
ラオウ負傷後、その知略によって帝国支配を目指すが、その脳裏にあるのは美。それはレイの幻影だったのかもしれない。マミヤのために現れたレイとの宿命の対決で、再び水鳥拳に心を奪われ敗れる。最期の時、この世でただひとり自分より美しいと認めたレイに看取られながら、ユダの顔には穏やかな微笑みが浮かんでいた。